日経エンタテインメント 2011.10月号

市川哲史の音楽は人なり

今月の人 KinKi kids
「KinKi kidsへの、超私的なラブレター」

 
90年代後半から00年前半にかけて、商業的にも作品的にも男子アイドル黄金時代をもたらしたのは、明らかにKinki Kidsだ。
 山下達郎や吉田拓郎など、アイドルとは無縁と思われた大御所ソングライターが曲を提供。96年スタートの「LOVELOVE愛してる」→「堂本兄弟」の流れで、音楽制作に没頭した本人たちの積極的な姿勢も新しかった。

 
それよりも何よりも、光一も剛も共に哀愁系の声質だったため、マイナー・メロディー・ポップスが見事に似合った。唄と歌で勝負できたアイドルなのだ。TKやミスチル、B'zら強力J-POP勢が※跋扈(ばっこ)する時代に、KinKiの楽曲たちがチャートで堂々と渡り合えたのは、当然の結果と言える。

 
私はその頃、オリコン誌で彼らのインタビュー原稿やライヴ評を数多く書いた。私にとってのジャニーズ原体験とは、KinKi Kidsに他ならない。たった二人で超満員のドームを掌で転がしてしまう彼らの姿は、現在のアイドルグループ多人数化をぬるま湯に思わせる。それほど光り輝いていた。

 
ところが、今年は結成20周年+デビュー15周年だというのに、巷の話題はちーっとも盛り上がっていない。おいおい、である。その理由を「既に殿堂入りアイドルだから」の一言で片付けるほど、私は大人ではない。

 
光一と剛は「水と油」である。資質的にも志向的にも、性格的にもだ。例えば光一の病的なまでの完璧主義と、剛の屈折したレット・イット・ビー感覚とか。例えばジャニーズ本流を極める光一と、脱アイドル志向で暴走する剛。そんな凸と凹がストイックに共存できた奇跡のパッケージが、KinKi kidsだ。それだけに両者の個人活動が充実すればするほど、本来のパッケージが色褪せてしまうのは、宿命なのかもしれない。
 
それでも本作(DVD KinKi Kids2010-2011 ~君も堂本FAMILY~)はさすがの出来なわけで、こうなったらエゴ正面衝突のKinKiが見たい。怖いけど。

 

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