読売新聞 Y&Yテレビ專欄 2009年1月26日
東山紀之さん(必殺仕事人2009)
主役の使命 担う自負
刀を下段に構え、ピタリと止めた。視線は鋭いが、目元はどこか涼しげ。カッコいいというより、美しいという表現がふさわしい。
演じているのは、表向きは怠け者同心だが、実は一撃必殺の仕事人・小五郎。「時代劇の立ち回りは、イメージ的には舞うようにしている」。「少年隊」の華麗なダンスを思い出し、思わず納得した。
前作の2007年の単発ドラマで、主水(藤田まこと)が担っていた主役の座を譲り受けた。重責だが、「主役というより、ほかの出演者とそれぞれの役割を守り、どう良い作品を作っていくかが大切だと思う」と気負いはない。
20歳の時、本格的に時代劇に挑戦して以来、22年。NHK大河ドラマ「琉球の風」、同「元禄繚乱」などと向き合ってきたキャリアが自信の根底にある。
「着物の着こなし方や時代劇の所作は、学んできた人にしかわからない。教える人も学ぼうとする人も減っているが、僕はそれができる男でありたい」
「柔」の中に秘めた「剛」。ヒガシのイメージが、小五郎と重なった。
文・辻本芳孝
写真・工藤菜穂
Q 休日は何をして過ごしていますか。(兵庫県・てんみんぱるさん)
A DVDを見たり、友だちとお酒を飲んだりしています。お酒は飲む時は飲みますし、おいしいものも大好きです。適度に女の人とも遊びます。
Q 好きな女性のタイプはどんな人ですか。(千葉県・ツッピーさん)
A もう40代ですから、響き合えるかどうかですね。会話を楽しめるように、ある程度、知識がある女性がいい。
Q 芸能生活25周年ですが、ジャニーズ事務所の後輩に期待することは何ですか。(富山市・匿名希望)
A ジャニーズと軽く見られるけど、みんなプロフェッショナル。その意識を強く持って、作品に向かっていってほしいと思います。
必殺仕事人2009(テレビ朝日系 金曜後9.00)
金をもらって弱い者の恨みを晴らす「必殺」シリーズの最新作。連続ドラマの「仕事人」としては17年ぶり。主役の同心・小五郎を東山紀之が演じる。仕事人仲間は、主水役の藤田まこと、経師屋涼次役の松岡昌宏ら。
プロフィール
ひがしやま・のりゆき
1966年9月30日、神奈川県生まれ。中学生の時にスカウトされ、82年に錦織一清、植草克秀と「少年隊」を結成。「喰いタン」(日本テレビ系)などに主演。ドラマのほか、舞台、ナレーションなどでも活躍。