close

讀賣新聞【評】Change(ジャニーズ事務所)

「質」の追求 21年目の変化

 夏恒例の少年隊の主演ミュージカルと言えば、錦織一清、東山紀之、植草克秀の個性を打ち出したバラエティーショー的な色合いが強かった。しかし21年目を迎え、大きな「変化」を見せた。スリリングな物語を作り、振り付けに米国のヴィンセント・パターソンを起用するなど、「質」へのこだわりが感じられた。

 3人は元・産業スパイ。10年前、孤独な学者(赤坂晃)が「生命の法則を覆す」実験を進める研究所から、サンプルを盗むことに失敗。仲間のアツヒロ(佐藤アツヒロ)を亡くしてチームは崩壊した。だが、謎の少年ジュン(長谷川純)に再び依頼される。

 冒頭のダンスシーンで「おやっ」と思った。たむろする若者たちが、ヒップホップ風の曲が流れると、一斉に両腕を横に伸ばして脚をけり上げるという様々な幾何学模様を描き出す。振り付けの質の高さと出演者の力量を見せつけられ、先の展開への期待が高まった。

 続いて3人が10年前の悲劇を回想する。当時の行動を、実際の演技と映像を同調させて生々しく再現。研究所内のパニックを、巨大な壁を開閉したり、舞台を囲む電光スクリーンに炎を映したりしてダイナミックに表現した。

 ただし、今回は“ジャニーズ流”の派手な仕掛けは控えめ。3人のすさんだ心の変化に焦点を絞った。腕を引き合って過去の束縛を象徴したり、アカペラでジュンの純粋さへの共感を表したり、その過程は心境を映し出す踊りや歌で示された。パターソンの振り付けは体に多彩な軌跡を描かせる難物だが、3人は果敢にこなしていた。

 研究所を巡る謎解きの興味に、「星の王子さま」の挿話や文明批判の視点も絡めたため、物語が分かりにくくなったが、舞台にみなぎるエネルギーに最後まで引き込まれた。作・演出は岡村俊一。(祐成秀樹)

 ――8月5日まで、青山劇場。

(2006年7月26日  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20060726et0c.htm

arrow
arrow
    全站熱搜

    Massy 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()